理学療法を学ぶ事=ビジネスを学ぶ事?
昨日、『問題解決能力を身に付ける』授業を母校の養成校で行おうとしているというお話をさせて頂きました。
ここでは、次回以降で学生に講義をしようとしている内容の概要をお伝えしようと思います。
タイトルは、
『これからの社会に通用する人材になる為の地域理学療法概論』
~一流の問題解決能力を身に付けられるメソッドとは?~
です。(ちょっと、大げさだとは自分でも思いますが、これぐらいのインパクトがあった方が学生の動機付けになるのかなと・・・(^_^;)
内容は、
1.ICF=SWOT
・ICFの概要
・SWOTの概要
・ICFとSWOTの共通点
・学生自身のSWOT分析(自分自身をSWOTで評価)
2.リハビリテーション計画書=PDCAサイクル
3.統合と解釈(考察)=5-WHY(ロジカルシンキング)
みたいな感じです。
今回はこの中から、1.のICF=SWOTについてご紹介させて頂きたいと思います。
ICFとは、みなさんご存知の通り国際生活機能分類(人間のあらゆる健康状態に関係した生活機能状態から、その人をとりまく社会制度や社会資源までをアルファベットと数字を組み合わせた方式で分類し、記述・表現しようとするもの)の事です。
実際には、利用者様の状況や背景を分析する事を目的として、アセスメントの時等に使用します。
自分の考えるICFのポイントは、
①プラスの因子とマイナスの因子をアウトプット
②個人因子だけでなく環境因子もアウトプット
している事だと思います。
対して、
SWOT(分析)とは、自社を取り巻く環境を,
内部環境:強み(Strengths)、弱み(weaknesses)
外部環境:機会(Opportunities)、脅威(Threats)
の4つの視点で洗い出し、企業として戦略を立てていく上での手法の1つです。
このICFとSWOT、少し似ている点がありませんか?
自分の主観で、やや強引な結びつけかも知れませんが、
①内部環境=個人因子(強み=プラスの因子・弱み=マイナスの因子)
②外部環境=環境因子(機会=プラスの因子・脅威=マイナスの因子)
と読み替えられる気がします。
という事は、ICFを学ぶ=使いこなせるという事は、ビジネス手法としてのSWOT分析を学ぶ=使いこなせると同義なのではないでしょうか?
学校の授業を通して、もしくは評価実習、臨床実習を通して、利用者(患者)様をICFで評価する事をマスターする事ができれば、学校卒業時には、SWOT分析に近い分析能力を身に付けている事になるはずです。
正直、自分もまだ全然使いこなせていませんが、SWOT分析は、自社もしくは自分を客観的に分析するのにも有効だと思います。
こういう話をすると、語弊があるかも知れませんが、自分や自分の勤めている会社(病院・施設)を客観的に分析出来て、改善点を明確にし、改善する為の行動に結びつけていける能力があれば、仮に将来的に理学療法士以外の職業を選択したとしても、1人の社会人として自分の力で食べていける気がするんですよね。
理学療法を学ぶという事→
それ自体が自分が将来どんな職業についても必要なビジネススキルを身に付ける学習になっている
この貴重さに気づいてもらえるような授業(及び実習指導)を出来ればと考えています。
ちなみに、現在社会人の自分が、問題解決関連やビジネス系の本を読むときに楽しく読めるのは、ベースに理学療法という問題解決手法を学んでいるからなのかなとも思ってしまいます。
ICFやSWOTをしっかり学んでいる方からすると、異論があるとは思いますが、あくまで真下個人の私見という事でご容赦願いますm(__)m